甲状腺機能亢進症・バセドウ病 内分泌(ホルモン)が関係する病態のなかでは最も頻度の高い疾患のひとつです。甲状腺ホルモンが過剰になると動悸・倦怠感・ふるえ・体重減少など多彩な症状が生じます。甲状腺ホルモンの合成亢進なのかあるいはそうではなく一時的に放出が多くなっているのかを鑑別し、前者であれば合成亢進をおさえるお薬や症状を楽にするお薬を使います。後者の場合、あとででてくる橋本病に移行する可能性もあるため経過を注意深く見ていきます。循環器疾患になりますが心房細動や頻脈性不整脈で甲状腺機能が亢進していることがありますので、併せて検査をして見つかることもあります。
甲状腺機能低下症・橋本病 だるい・疲れやすい・むくむ、といった言ってみればわりとありふれた症状のなかに少数ですが甲状腺機能低下症がかくれています。高齢のかたで認知機能や活動性が低下している場合に甲状腺機能を測定すると、意外に下がっていることもあります。当院に通院中のかたは中年以降に徐々に甲状腺機能が低下する橋本病と、バセドウ病の治療(手術・放射線)のあとにホルモン補充が必要な患者さんが主です。橋本病の場合は特に発症直後はホルモンの変動が大きい場合があるため比較的頻繁にホルモンの様子を調べます。補充療法の場合は安定しているかたが多いです。
甲状腺腫・甲状腺結節 甲状腺が腫れている、あるいは健診で甲状腺腫を指摘された、ということで来院される方がほとんどです。上記2つのホルモン異常でも甲状腺が腫れることがあるため機能の検査を行い、並行して触診と頸部の超音波検査(甲状腺エコー)を行います。全体に腫れているびまん性甲状腺腫が多いのですが、結節が見られた場合は不要な侵襲を避けるため丁寧なエコー検査を行い、スコアリングに従って細胞診に進むかどうかを判断しています。
副甲状腺機能亢進症 副甲状腺はあまりなじみのない名前ですが、カルシウムの調節をつかさどっている内分泌腺です。副甲状腺機能亢進症は血中のカルシウム濃度の上昇を反映した口渇・多尿・食欲不振・筋力低下をきっかけに発見に結びつく場合や、健診でのデータ異常で来院され、追加検査と頸部エコー検査で発見したケースもあります。
二次性高血圧 高血圧が内分泌疾患なのか、と思われるかも知れませんが、いわゆる本態性高血圧(原因がひとつに絞りきれない高血圧症)の中には約10%程度べつの原因で血圧が上がっている二次性高血圧が紛れ込んでいると言われています。当院では初診でいらっしゃった高血圧の患者さんには必ず二次性高血圧の鑑別と血管性高血圧のスクリーニングを行っています。代表的なものは頻度順に原発性アルドステロン症・腎血管性高血圧・腎実質性高血圧・睡眠時無呼吸症候群(SAS)などです。前二者は初診時の簡単な血液検査でスクリーニングができます。SASについては必要に応じて簡易検査を実施できます。
